『プロを目指す人のための Ruby 入門』を読んでみた
プロを目指す人のためのRuby入門 言語仕様からテスト駆動開発・デバッグ技法まで (Software Design plusシリーズ)
- 作者: 伊藤淳一
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2017/11/25
- メディア: 大型本
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評判がよいので読んでみました。アマゾンのレヴューで、独学で Ruby を勉強している人なら読むべきみたいなことも書いてありましたので。
結論からいうと、自分にはあまり得るところは多くなかったですね。プログラミング初心者では読めないでしょうが、本当に Ruby 初心者向きですね。Ruby を使いこなすにはリファレンス・マニュアル(日本語です)を読むのがいちばんですが、これが読める人なら本書は必要ないかも知れません。
けれども、本書がいい本でないというのではまったくありません。基本的に Ruby が使えるようになる(Ruby minimum)という目的のためなら、これはいい本だと思います。本書で弱いのは正規表現*1、ファイル処理*2とクロージャ*3の説明くらいで、あとはじつに丁寧に書かれています。文章も読みやすいです。特に、アマゾンのレヴューにもありましたが、テストを積極的に書いて開発するという体裁になっていて、仕事に使う人には必須な気がします。まあ素人の僕などは最悪なことにテストなどまったく書かないので、こういうのを真似てはいけません。さすがに仕事で使っている人だなと思いました。
本書では最終的に Ruby on Rails を使うということが念頭におかれています。もっとも Rails に特化した本ではまったくないので、その点は Rails に関係ない人でも大丈夫です。ただ、これは本書とは関係ないですが、Ruby の人気はあまりにも RoR に負っているのですよね。いま出る Ruby 本は、Rails 関係のものが多いです。そもそも Ruby が世界的な人気言語になったのは RoR のおかげで、それゆえに RoR の退潮とともに Ruby 人気が陰ってきているのはまちがいありません。自分はこれは仕方のないことだと思いますが、Ruby というのがそれ自体非常に優れた、興味深い言語であることが忘れられがちなのは、Rubyist として残念な気がします。実際、Ruby 以降の言語で Ruby に何も影響を受けていないというような人気言語は少ないように思えます。まあそれは自分のような初心者の正確に判断できることではないですが。
話は替りますが、Ruby の入門書の定番といえばこれですよね。僕も愛用してきました。いまだに簡単なリファレンス本としてもよく参考にするくらいです。
- 作者: 高橋征義,後藤裕蔵,まつもとゆきひろ
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 単行本
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あと Ruby の入門書としてはこれが有名です。
- 作者: Yugui
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2008/06/26
- メディア: 大型本
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Ruby の特徴のひとつである「メタプログラミング」についてはこれ。
- 作者: Paolo Perrotta,角征典
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2015/10/10
- メディア: 大型本
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何だかまとまりのない記事になってしまった…。